第67回日本薬理学会北部会

第67回日本薬理学会北部会を平成28年9月30日（金）に開催させて頂くことになりましたので、ご挨拶申し上げます。

札幌での開催は、平成22年の第60回北部会より6年ぶりの開催となります。私は、平成12年に近畿部会から移籍してきましたが、初めて北部会に出席した時、両部会の雰囲気というか熱気が全く異なることに驚きを禁じえませんでした。というのは、近畿部会では（少なくとも私の知っている範囲内では）、演題発表や学会参加はいわば近所付き合いのようなものであり、部会は年2回の儀礼的な集まりという認識でした。一方、北部会では全く逆で、各研究室が積極的に演題を発表し、研究室のほぼ全員が自発的に学会に参加し、熱心に討論が行われていました。また、懇親会についても同じで、北部会では、おもてなしの心が満ち溢れ、研究者間の交流が非常に活発な印象を受けました。

最近では、インターネットの発達により、研究に関する情報を取得することは大変容易になり、情報収集という意味では学会の存在意義の低下には著しいものがありますが、現在の学会の意義はむしろそれ以外のアナログ的なところ―すなわち、他の研究者との率直な意見交換や交流、若手研究者による演題発表や質疑応答の経験、懇親会での新しい仲間との出会いなど―にあるのではないかと思います。そのような意味で、北部会の存在意義というのは非常に大きく、毎年開催されるに値する学会であると言えます。このような学会を定年退職する年に開催する大役を仰せつかったということは、北部会の意義を次の世代に伝えるという役割を与えられたのではないかと感じております。それゆえ、本学会においても、前回と同様に若手研究者のための優秀発表賞を設け、全演題を口頭発表とするとともに十分な討論時間を確保するように、北部会の目的にふさわしい運営を心がけて行きたいと考えております。そのためには、参加して頂く皆さまの多大なるご協力がぜひとも必要になりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。